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毎年11月に全国各地で開催される酉の市。 中でも浅草の酉の市は、浅草の鷲神社が、酉の市の起源とされる場所の一つのなっているため、約80万人が訪れる東京最大級の規模を誇る人気のお祭りです。 会場は、台東区浅草にある「鷲神社(おおとりじんじゃ)」と、隣接する「長國寺(ちょうこくじ)」で開催されます。 2つの寺社が並び、境内全体が酉の市の舞台となります。
この記事では、「酉の市」の開催日時や場所をはじめ、酉の市とはどんなお祭りなのかの解説、浅草の酉の市ならではの特徴、長国寺さんに問い合わせた2025年の酉の市の屋台の開いている時間、熊手の価格、アクセス方法などを詳しくご紹介します。
酉の市 浅草の開催日時・時間について
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● 2025年の酉の市の開催日程は以下の通りです。
【酉の市】
一の酉:11月12日(水)
二の酉:11月24日(月)
開催時間(各日とも):午前0時から午後24時まで。令和7年は、二の酉まで執り行われます。
鷲神社酉の市御祈願:当日、受付順に随時斎行されています。事前予約も承っています(初穂料5,000円〜)
※最大5名までの団体参列が可能
● 酉の市御祭儀(宵宮開運福寿祭・鷲祭特別祭儀)は、下記時間に斎行されます。
参列可能ですがご希望の方は、事前予約が必要です。各時間の15分前までに受付をお済ませ下さい
【鷲神社 宵宮開運福寿祭(酉の市の前夜祭)】
11月11日(火) PM 11:15~
11月23日(日) PM 11:15~
内容:神職による祝詞奏上と参列者の祈願を中心に行われる祭儀
目的:酉の市の始まりを告げる儀式で、開運・福寿・家内安全・商売繁盛などを祈願します
参列方法:事前予約制です
【鷲神社 鷲祭特別祭儀】
11月12日(水) PM 1:00~
11月24日(月) PM 1:00~
内容:神職による特別な祭儀で、鷲神社の御祭神「天日鷲命」「日本武尊」への感謝と祈願が捧げられます
参列方法:こちらも事前予約制です
出典:鷲神社「今年の酉の市」
「酉の市」とはどんなお祭りなのか
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酉の市とは、毎年11月の「酉の日(十二支)」に行われる、開運招福や商売繁盛を願う伝統的なお祭りです。 その起源は、鷲神社の祭神である日本武尊(やまとたけるのみこと)が、東夷征討の勝利を祝い、社前の松に武具の「熊手」をかけて感謝の祭りを行ったことにあるとされています。その日が十一月酉の日であったので、この日を鷲神社例祭日と定めたのが酉の祭、「酉の市」です。
酉の日は、11月の最初の酉の日を「一の酉」とし、12日おきに「二の酉」「三の酉」と続きます。 そのため、年によっては「一の酉」「二の酉」までの年もあれば、「三の酉」まである年もあります。
※豆知識として、「三の酉」まである年は火事が多いという俗説もあり、昔から人々の間で語り継がれています。
浅草の酉の市の特徴とは?
1. 酉の市発祥の地としての格式
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鷲神社は、酉の市の起源とされる神社のひとつで、江戸時代から「おとりさま」として親しまれてきたよ。 酉の市はもともと「酉の祭(とりのまち)」と呼ばれていて、十一月酉の日の午前0時に打ち鳴らされる「一番太鼓」を合図に始まるのが伝統です。
2. 鷲神社と長國寺の合同開催
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隣接する鷲神社と長國寺が一体となって開催される珍しい形式の酉の市です。神仏習合の名残を感じられる、歴史的にも貴重な酉の市となっています。
もともと鷲神社と長國寺は、江戸時代以前は同じ敷地に存在する一体の寺社として運営されていました。1868年の神仏分離令により、仏教寺院と神社は別々の宗教施設として独立した経緯があります。しかし、地域の人々の間では酉の市の伝統が根強く残っており、分離後も協力して祭りを継続する形が取られました。
3. 熊手御守「かっこめ」の授与
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鷲神社や長国寺では、酉の市限定で開運・商売繁昌のお守りとして「熊手御守(かっこめ)」が授与されます。 これは神様の御分霊とされていて、福をかき込む縁起物として大切にされているものです。鷲神社では、例祭日の午前零時を期して打ち鳴らされる一番太鼓と共に授与され、一番先に熊手御守を受けた人に「一番札」として神社の金小判が授けられます。
また、縁起物の熊手もさまざまな種類があり、毎年流行を取り入れたデザインが登場します。 購入時には「手締め」が行われ、威勢のいい掛け声が境内に響きますよ。
4. 深夜まで続く賑わいと幻想的な雰囲気
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酉の市の日は、「深夜0:00から深夜24:00」の間、24時間開催しているため深夜でも参拝可能で、提灯が灯る境内は幻想的な雰囲気です。 「眠らない浅草」の一角として、夜遅くまで人々が熊手を選び、手締めの声が響く粋な空間になります。
酉の市 浅草の屋台の時間について
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屋台(飲食)が開いている時間について2025年10月に長国寺さんに問い合わせたところ、警備などの関係で毎年同じ日時ではなく。2025年は確定とはなっていないものの、大体下記の日時で屋台が開いているとお話しをいただけました。
酉の日前日=夜23時頃から深夜午前2時頃まで一部の屋台が開きます
酉の日当日=午前10時頃から午後21時ごろまで
※ただし気象条件や曜日により増減があります。
また、境内で熊手の販売をしている屋台に関しては、酉の市の日に24時間開いています
なお、屋台の内容については毎年多少変動がありますが、比較的毎年多くの屋台が並ぶ通りについて、以下の地図でご紹介します。やきとり、おでん、煮込みなど、大きな鍋から立ちのぼる湯気とともに、屋台グルメを頬張りながら歩く時間は、心も体もほっこりと温めてくれますよ。
浅草「酉の市」熊手の値段や飾る場所について
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酉の市の熊手は、上記でお伝えした酉の市の日限定で授与される「かっこめ(熊手御守)」以外にも、縁起物の熊手も販売されています。熊手は、かき集めるという機能から、「福をかき集める」「運や福、商売繁盛を招く」縁起物の一つとして扱われています。初めて購入する場合は小さいサイズの熊手を購入し、金運アップや商売繁盛のために、より大きなものへと買い替えていくのが良いとされています。
熊手の値段は小さいものでは1,000円位からの豆熊手から、大きなものでは数十万円するものまであります。売れ筋は10,000~50,000円です。熊手によってデザインや付いている縁起物はそれぞれ違うので、いろいろな熊手をよく見比べてみてから購入されてください。購入する際は、まず値段を聞いてから値切り、支払う時は最初に聞いた金額を支払って、値切った分をご祝儀としてお店に置くのが粋な熊手の買い方とされています。
※ただし、値切るのは法人の大きいサイズを購入される方で、屋台によっては安価なものは値切れなかったという方もいらっしゃいました。
『熊手を飾るおすすめの場所』
● 神棚(ある場合) → 最も神聖な場所とされ、熊手を祀るには理想的。
● 玄関の内側・高い位置 → 福を呼び込む「気の入り口」とされ、人気の飾り場所。
● リビングや家族が集まる場所 → 家内安全や家庭運を願う場合におすすめ。
● オフィスや店舗の入口・レジ横 → 商売繁盛を願う場合にぴったり!
● 鴨居や棚の上などの目線より高い位置 → 「高い場所に飾ると運気が上がる」とされています
また向きとしては、日の当たる方角は縁起が良いとされるため、東や南に向けて飾るのが良いとされています。福を呼び込むイメージで、玄関や店舗の入口に向けて飾りましょう。
浅草「酉の市」2025年開催概要
■期間:
●「一の酉」:11月12日(水)
●「二の酉」:11月24日(月)
「宵宮開運福寿祭(酉の市の前夜祭)」:
●11月11日(火) PM 11:15~
●11月23日(日) PM 11:15~
「鷲祭特別祭儀」:
●11月12日(水) PM 1:00~
●11月24日(月) PM 1:00~
■住所
●浅草 鷲神社
〒111-0031 東京都台東区千束3丁目18番7号
●法華宗 鷲在山 長國寺
〒111-0031東京都台東区千束3-19-6
■ 会場アクセス
【電⾞】浅草 鷲神社
●地下鉄日比谷線:入谷駅北口3番出口より徒歩約7分
●Txつくばエクスプレス:浅草駅より徒歩約8分
●地下鉄銀座線:田原町駅より徒歩約15分 台東区循環バス「南めぐりん」運行
●JR:鴬谷駅南口より徒歩約20分 台東区循環バス「北めぐりん」運行
●東武線・メトロ浅草線/銀座線:浅草駅より約15分
●JR:日暮里駅東口より錦糸町駅行き都バス千束下車徒歩2分
●JR:総武線錦糸町駅北口より日暮里駅行き乗車、千束下車徒歩2分
●JR:小田急線・京王線「新宿駅」東口 徒歩7分
【バス】法華宗 鷲在山 長國寺
●都バス 日暮里~錦糸町 竜泉バス停下車 徒歩2分
■お問合せ:
●浅草 鷲神社
TEL:03-3876-0010
浅草 鷲神社HP:https://otorisama.or.jp/
●法華宗 鷲在山 長國寺
TEL:03-3872-1667
法華宗 鷲在山 長國寺HP:https://otorisama.jp/